スマホの自撮りをプロフィール写真に仕上げる
プロフィール写真で見られるのは、結局この三つです。顔が読み取れること、顔に当たる光が偏っていないこと、画面の中で顔より目を引くものがないこと。このテンプレートは手元の一枚を出発点にして、本来スタジオで用意する部分を作り直します。背景、肌に当たる光のバランス、頭と肩の収まりです。
求人サイトのプロフィール、履歴書の上部、会社のチームページ、学会の登壇者紹介。どれも顔が200ピクセル程度で表示される場所で、この用途なら仕上がりは十分に通用します。雑誌のポートレートや、決まった用紙サイズと背景色が指定された証明写真では通用しません。テンプレートが自分で構図と背景を決めてしまうからです。逆に、印刷して配る資料や社内の名簿のように顔が大きく出る場所では、元写真の粗がそのまま残ります。
テンプレートが変える部分、変えない部分
出てくるのは頭と肩が入ったミディアムショットです。人物は中央、背景は淡いグレーから白へのグラデーション、顔にはピントが合い、全体のコントラストは低めに抑えられます。服装はビジネス寄りに引っ張られ、Tシャツやノースリーブがジャケットや襟付きのシャツになって戻ってくることがよくあります。顔立ち、髪、大まかな姿勢は元写真のままで、仕上がりを判断するときはここを見ます。
効くのは、代わりになる写真が本当にないときです。集合写真を切り抜いたら隣の人の肘がまだ写っている、去年の写真は海の主張が強すぎる、という状況です。プロフィール、チームページ、名刺、学会の紹介はどれも小さな表示枠で使われ、小さい枠は多少の粗を隠します。200ピクセルの顔を見て、これと実際の撮影を見分けられる人はいません。
避けたほうがいい場面が二つあります。顔が30度より深く横を向いている、あるいは顔の一部が隠れている場合、モデルは見えない半分を推測するしかなく、左右が合わなくなります。もう一つは、決められた印刷サイズ、指定の背景色、修正禁止といった条件がある写真です。構図と背景を自分で決めるテンプレートはこうした条件に向かないので、撮り直すか、証明写真機を使ってください。
一枚を仕上げる手順
テンプレートは一度通すだけなので、仕上がりの上限は渡した写真で決まります。顔に店の看板の緑や夕日のオレンジがかぶっていると、その色は肌に残ります。指示文をどれだけ細かく書いても完全には落ちないので、まず元写真を選び直すほうが早いです。肌の色みがどうしても残る場合は、背景だけを変えて肌は元のまま残す方向に切り替えたほうが安全です。
- まず元写真を選びます。設定をいじるのは後回しです。顔全体が見えていて、正面かほぼ正面、両目が開いていること。眉、口、あごの前に何もかかっていないこと。鏡に向かって撮った自撮りより、一歩二歩下がって人に撮ってもらった写真のほうが有利です。自撮りは端末が顔の半分を隠しがちです。
- 目を100%で拡大して確認します。まつげと虹彩の境目がつぶれていると、仕上がりも同じ場所が甘くなります。光が平凡でも芯のある写真のほうが、照明が凝っていても甘い写真より使えます。
- アップロードの前に、自分で頭と肩までトリミングします。髪の上に少し余白を残してください。頭のてっぺんを切った写真は、ツールに残された余地がありません。正方形や円に収めるときに、各サービスがさらに左右を削ります。
- 変えてほしくない点を一言だけ添えます。「黒いシャツはそのまま」「背景は明るい無地で」のように、残すものを名指しするほうが、雰囲気を長々と説明するより効きます。形容詞が増えるほど、モデルが勝手に補う余地も増えます。
- 生成後は元写真と並べて100%で見比べ、背景より先に顔を読みます。生え際、耳の形、あごの線、ほくろや傷、眼鏡のフレーム。二回試すのは普通のことです。あごの線がずれていたら、その画像に手を加えず、別の写真から作り直します。
- 元写真は未加工のまま別名で保存し、結果には新しい名前を付けます。同じ一枚を十回試すより、違う写真を二、三枚試すほうが先に進めます。一週間後に見返したとき、どの版がどの写真から出たのか分からなくなります。
本人に見える状態を保つ
プロフィールの表示枠は、アップロードした形のままとは限りません。求人サイトは正方形、チームページは円、履歴書の上部は横長です。顔を中央に置き、髪の上に少し余白を残しておけば、どの裁ち方でも目に掛かりません。そこから先を決めるのは元写真であって、指示文の書き方ではありません。
- 光は均一に、片側に濃い影を作らない。窓からのやわらかい光や曇りの日が向いています。片側だけの照明で顔の半分が影になると、暗い側を作り直すことになり、左右が合わなくなります。
- 正面で両目を開き、レンズを見ていること。30度を超えて横を向くと、遠い側の目が細くなり、作り直された顔は対称に寄っていきます。その対称は元のあなたのものではありません。
- 顔に何もかけない。帽子、サングラス、あごまでのマフラー、端末を持つ手、片目を覆う前髪。隠れた部分は作られてしまい、作り物のパーツは同僚や家族が最初に気づきます。
- 背景は無地に近いほどいい。壁、生け垣、開けた空のどれかです。本棚、人混み、逆光の窓は髪の輪郭をにじませます。輪郭のぼけは誰でもすぐに見つけます。
- 肌の質感は残します。仕上がりが十歳若く見えたり、歯が一段白かったりするなら、その顔はすでにずれています。元の肌を残したいなら、平滑化を足すのではなく、光のやわらかい写真に変えてください。
つまずきやすいところ
最初に壊れるのは眼鏡と目です。細いフレームは曲がったり消えたりし、レンズの反射は灰色の面になります。目を細めた写真は、本人より大きく開いた状態で返ってくることがあります。次は歯です。大きく笑った写真は歯の数が変わったり、明るさが目を引いて顔を見なくなることがあります。
もっと困るのは顔立ちの漂流です。平均的なスタジオ顔に寄っていくと、似ている別人が出来上がります。履歴書や会社のページのように、名前と顔を結びつける場所では、多少の粗があっても本人の写真のほうがましです。あとから更新できない点も同じです。元写真が十年前のものだったり、今は剃っている髭が写っていたりすると、何回通しても今の顔にはなりません。
比べるときは同じ画面に並べてください。端末を変えたり一週間空けたりすると、あごの形や耳の輪郭のわずかな違いは簡単に見落とします。
複数の写真を揃える
チームページは揃っているほど整って見えます。同じ種類の元写真、同じ指示、同じトリミング。背景がばらばらの十枚を並べると、十社の寄せ集めに見えます。同僚から写真を集めるなら、撮り方の見本を一枚送ってください。自然光、無地の壁、肩までの構図です。そのうえで一人がまとめて処理するほうが、各自に任せるより仕上がりが揃います。十枚そろってから一度に見直すと、ばらつきに気づけます。
アルバムからスキャンした古い写真も同じテンプレートに通せますが、その前に一手間かかります。ほこり、折り目、色あせは補修の仕事で、補修した写真を肖像に仕立てるのは次の仕事です。順番を分けると確認する場所が二回あり、似ているかどうかをそこで判断できます。年代の違う家族写真を同じページに並べるときも、この二段階が効きます。
よくある質問
- スマホの自撮りでも使えますか?
- 顔が鮮明で、正面に近く、光が均一なら使えます。一歩二歩下がって人に撮ってもらった写真のほうが、端末が顔を隠さず、遠近もゆるやかで有利です。
- 本人と分かる仕上がりにするには?
- 両目とあごの線がはっきり写った写真を選び、残したい点を一言添え、生成後に100%で元写真と見比べます。顔立ちがずれたら、その画像を加工せず別の写真から作り直します。
- 背景は何色にすればいいですか?
- 淡いグレーから白へのグラデーションが出ます。ほとんどの用途で問題ありません。勤務先や申請書が色を指定している場合は先に確認してください。生成される背景は、決まった色値に合わせる作りではありません。
- 眼鏡や髪の輪郭が崩れるのはなぜですか?
- フレーム、レンズ、後れ毛は細くてコントラストの低い形です。反射や込み入った背景に輪郭が飲み込まれます。反射のないレンズで、無地の壁を背にした写真を選ぶと、輪郭がきれいに出ます。